航空機、UAV 搭載のレーザ計測は、共にその解析処理ついては基本的に同様。航空機レーザ計測では、機体の位置と姿勢は、高価な GNSS/IMU(位置・姿勢計測システム)で求められるが、対地高度が500m以上と高高度であるため、地上での点群密度が低く、フライト費用 が高いなどの課題がある。一方UAV レーザは、対地高度が150m以下であり極小範囲を超高密度な計測が可能でフライト費用が安い。このよ うにUAV レーザ計測を採用するにあたっては、計測対象範囲や取得すべき形状データの粗密(点密度)を考慮する必要がある。また樹木の繁 茂度合いによっても通過するレーザは大きく影響を受けるため、計測時期にも配慮が必要となる。その点YelloeScan は16 方向のレーザである ため葉の間をレーザが通過しやすく地上の形状取得に有利である。要求精度を満足し、かつ墜落時のリスクの低い廉価なレーザシステム YellowScan を用いて、コストパフォーマンスに優れた高精細な地理空間情報の提供が可能。
河川敷の藪化・樹林化は、治水上、流下能力の低下を招き、環境面でも河川らしい景観の消失、種多様性の低下、生態系の単純化をもたらす。 これら樹林化の問題は、全国河川で緊急の課題となっている。これまでUAV にカメラを搭載しSFM 解析を用いた手法では、樹木の繁茂した環 境下では、手前の樹木が阻害となり正確な樹木の高さや地表面の形状まで得られない。一方上空からのレーザ計測は、樹木の枝葉の間をレーザ が通過することで、樹木下の地形の形状取得が可能と期待されている。現在市販されているレーザスキャナ・GNSS・IMU の各パーツから構成 されるドローン搭載のレーザシステムは、ドローン本体含め非常に高額であり墜落時のリスクが大きい。本検証により廉価なUAV レーザシステ ム(YellowScan)を用いたとしても、最適軌跡解析およびコース間調整処理後の計測データと検証点(VRS)の高さを比較した結果、概ね1 ~ 3cm 程度の較差で取得されていることを確認した。また地上レーザを用いてその精度検証を実施した結果においても、数センチレベルで地表面を正確に捕捉できていることが確認された。
我々は、3D 計測市場の内、昨今特に望まれつつある高精度な地形データの取得に焦点を当て、それを可能にするUAV レー ザ機器の導入とその計測事業を共同事業として行える有限責任事業組合(LLP)の設立を致しました。 本業務の推進には、高額設備の導入、経験の必要な事業用ドローンの運航から高度なデータ解析まで、新技術の取得、必要な 人材育成まで1 社ではなかなか難しい課題をお互いが補完できるメンバーが集まり、レーザ計測業務を提供できるコラボレー ション組織としてスタートしました。これにより個別に事業を立ち上げた時の設備投資費用、人材育成費用、研究開発費等の 重複した事業コストが抑えられ、組合員のUAV レーザ計測事業を可能にしました。
有限責任事業組合UAV レーザ共同体
組合員代表 中央航業(株) 小池 盛文
我々は、お得意様及び参加企業にとって有益且つ相乗効果の得られる最良な方法となるコラボレーション組織を目指します。本組織はUAV の運航及びUAV レーザ計測を主たる事業とし、組織間の技術を共有し、設備の導入費用や早期の運用ノウハウの取得で研究開発費用等を軽減することにより業務コストの低減を図ります。
主な事業目的
組合は、UAV レーザ計測事業に欠かせない必要な専門技術を永年経験されて取得されている以下の参加企業によって構成され、プロオペレーターによる安心・安全な運航の提供と精度の高い成果物の提供をお約束します。